フィリピン人家政婦ってどうなの?メリット・デメリットや個人契約する際の注意点も解説
上記の写真はフィリピンのセブ市街地です。
日本のみならずフィリピンは「家政婦先進国」というイメージが定着しています。フィリピンには多くの家政婦養成学校があり、卒業すると医師や弁護士と同じように国家資格が与えられ、プロの家政婦として認定されるそうです。またフィリピンのGDPのおよそ10%は家政婦産業によるものであるとのこと。まさに世界一の家政婦先進国といってもよいでしょう。
また、フィリピンの母国語はタガログ語ですが、セカンドランゲージは英語ですので、フィリピン人の英語力はアジア圏でも屈指といわれています。それに、フィリピン人は明るくホスピタリティ精神にあふれている、といった(あくまで一般的な)評判も、世界一の家政婦先進国であることを後押ししているのかもしれません。
今回は、そんなフィリピン人家政婦を雇用する際のメリットとデメリット、加えて契約時の「注意点」についてもお話ししていきたいと思います。
目次 フィリピン人家政婦を雇うメリット フィリピン人家政婦を雇うデメリット 在留資格に注意を払いましょう フィリピン人家政婦を個人で雇う際の注意点 |
・フィリピン人家政婦を雇うメリット
機密書類を見られても漏れる可能性が低い
テレワークの普及などにより、職務上重要な書類を自宅に持ち帰るケースも増え、以前以上に情報の取り扱いには細心の注意が求められるようになりました。日本人の家政婦さんの場合には「部屋にある書類や電話から外部に情報がもれてしまうのでは?」と気にされている方も多いようですが、フィリピン人の家政婦さんの場合、日本語の日常会話はできても難しい漢字やカタカナがそれほどスラスラ読める方がさほど多くはないため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
芸能人の方がフィリピン人の家政婦さんを希望するのも所謂「一般人」 として扱ってくれるからだとお聞きしたこともあります。
生の英語に触れることができる
冒頭でも申し上げたように、フィリピン人の英語力は高いレベルにあります。2020年より、小学校での英語が3〜6年生を対象に必修化されました。そういうこともあって、英会話教室の先生代りにフィリピン人家政婦を雇おうと考えるお母様方も多いようです。子どもが楽しく暮らしの中で活きた英会話に触れることができるのは、小さなお子様にとっても大きなメリットかもしれませんね。
・フィリピン人家政婦を雇うデメリット
サービスのクオリティの問題
日本人の家政婦さんを雇用する場合も同じですが、個人契約の場合、人によってはサービスのクオリティが安定しないという問題が生じます。ご自身の感覚と相手方との感覚があまりに乖離していないか、事前によく話し合っておかないとラクをしようと思っていたのに要らぬストレスを抱えてしまうことになりかねませんので、注意が必要です。
意思疎通の問題
ある程度日本語での日常会話ができるとはいっても、やはり相手は外国人の方です。ですから、家事の内容や細かい指示をする際は、「メモ書き+口頭」にするといったように、ひと手間を加えたほうが良いでしょう。ましてや、個人契約の場合、スタッフに直接、指導や指摘をしなければならない場面が多々でてくるはずです。「浴槽の掃除が不十分だったのでやり直して欲しい」という指摘や「先週ココが出来ていなかったのでこのように改善して欲しい」という指導をするのは(もちろん相手の日本語の習熟度や日本の習慣に対する理解度などにもよりますが)結構骨が折れるものです。
金額交渉が必要で手間がかかる
個人契約で家事サービスをお願いする一番の理由は費用が抑えられることではないかと考えます(参照:コラム「家政婦の個人契約ってどうなの?メリット・デメリット・注意点を解説」)。しかしながら、家政婦の場合、年単位で契約する事が多いので、契約途中で給与アップの交渉を依頼されることがあります。関係性が深まっているので断りづらかったりして、一度お給料を上げてしまうと高い頻度で給与アップの交渉を受けることも多くなる場合もあるようなので、結構億劫です。また勿論個人差があるのでしょうが、ちょっとした時間超過の場合も律儀にメモして報酬増額を持ちかける人もいるそうなので、その点もやや手間といえるでしょう。
これはあくまで私の個人の経験ですが、前職は大型量販店への派遣業に勤務していました。スタッフの休憩時間を使って悩みを聞いたり、相談にのったりしていたのですが、ある外国人スタッフから「私はいま休憩をとっています。話しなら勤務時間にしてください」と言われ、やはり、日本人と外国人の感覚の差というものがあるのだなぁ、と感じたことをいま思い出しました・・・。
時間に対する感覚の差
先にも述べたように、時間に対する感覚の差というものもあるようです。これは、日本人だから外国人だからということではなく、個人の資質の問題が大きいので一概に言えないかもしれませんが、フィリピン人家政婦をご利用のお客様のなかには、スタッフの遅刻や欠勤に頭を悩ませている方が多いように感じます。またフィリピンの祝祭日には、一般祝祭日(レギュラーホリデー)と、特別祝祭日(スペシャルノンワーキングデー)という2種類の祝日があり、毎年夏頃に翌年の祝祭日をフィリピン大統領府が正式に発表するシステムになっています。そのため(特に日本に出稼ぎに来ている場合には)急な長期のお休みを申請される場合もあると聞きます。早めに予定を問いかけてあげるのもよいかもしれませんね。
・在留期間に注意を払いましょう
2015年より国の政策「国家戦略特別区域家事支援外国人受入事業国家戦略特別区域法第16条の4」にて、家事負担を軽減し、女性の社会進出を後押しする目的で、家事支援分野での外国人就労が可能になりました。しかし現在、外国人家政婦が日本で働ける期間は最大5年と決まっています。これでは、なかなか気に入った家政婦さんに長く勤めていただくことは難しいですよね。「国家戦略特別区域家事支援外国人受入事業国家戦略特別区域法第16条の4」では、在留資格をその期間のみ「特定活動」とすることで、家事支援分野での外国人就労を可能としてきました。
ところが、在留資格のなかには、元々日本における就業の制限のない在留資格があるのです。即ち、「永住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者等」「定住者」の4つです。この4つの在留資格を有している外国人は、日本人と同様になんら制限を受けることなく就業することが可能です。この4つのいずれかの在留資格を持っているフィリピン人家政婦さんであれば、期間の定めなく働いてもらうことが可能になりますので、是非覚えておきましょう。
・フィリピン人家政婦を個人で雇う際の注意点
フィリピン人家政婦を個人で雇用する場合の注意点は2点です。1点づつ解説しておきましょう。
契約書をしっかりと交わす
口約束になってしまいがちな個人契約ですが、契約書を交わしておくことはやはり重要です。「給料」「労働時間」「守秘義務」「雇用期間」などを、最低限記載しておきましょう。できれば英訳版も一緒に作成しておくとベターです。
万が一の事故の場合は免責せざるをえないと考えておきましょう
例えば「床に傷をつけてしまった」「洗濯の際、色移りさせてしまった」といった万が一の事故の場合は、例え「契約書」にきちんと記載していた場合でも、基本的に相手に賠償責任は問えないと考えておいたほうが無難でしょう。防犯ビデオにでも撮っておかない限り「私はやっていない」と突っぱねられてしまえば、それ以上の追求は水掛け論になってしまいかねませんし、例え罪を認めたとしても相手側に、現実的にその損害を賄うだけの財力があるか否かの問題にもなってきます。
腹立たしいかもしれませんが、諦めざるを得ないケースの方が多いと考えられます。
以上、フィリピン人家政婦を雇用する際のメリット・デメリット、個人契約する際の注意点を解説してまいりました。コスト面を始め、メリットも多いフィリピン人家政婦ですが、デメリットも多々あることを考え、ご自身のプライオリティを以てご判断いただければと思います。
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